第23回 SAVE ME ポスター展レポート

去る10月にSave Me展が開催され、今年も新たな絶滅危惧種の報告、細菌・ウイルスによる猛威、各国による食文化の相違を表現した作品など学生による新作ポスターが50点並んだ。しかしながら学生が取り上げるテーマが、開催当時の20年前と変わっていない気がする。
その間にも地球環境を改善するための一つのアイデアとして生まれたエコロジーやロハス、地産地消、自給自足という言葉すら巧みに利用し新たな消費を生み出している現実を見ると、それらは単なるファッションや気分にすぎず大国の経済活動に寄与していることでしかない。学生達が変らないのは仕方がないことで、大人の一人としては見ていて耐えられない側面もある。
健全な人としての営みとは何か、人間の絶え間なく溢れる欲望あるいはその境界線をどこまで延ばすのか、学生一人ひとりが真剣に考える大切な場所であることを、あらためて痛感させられた展覧会となった。

展覧会：喜多紀和